テーマで着る

訪問着や付下げをふだんに

常日頃、着物に馴染んでいる方でも訪問着と聞くとなんとな~く格高で、引ける感じがしますよね。

ちょっとそこらへ訪問着、とはさすがに考えませんし…

ちょっとそこいらではない=かしこまった装い(正装・盛装)でお出かけ=めったにない、でやっぱり疎遠なイメージが広がります。

お稽古事の発表会が毎年ある、職業柄パーティーはしょっちゅうという方は自ずと機会が巡ってくるのでそう心配しなくても大丈夫だと思います。

そういうのでは全然ないけど・・・ふだんに着物を着ている方なら持っていらっしゃいますよね、訪問着や付下げの1枚2枚。

この前着たのはいつだっけ?

特別な日の着物として何年も着られることなく、箪笥の中で大事に保管されているのはなんだか勿体無いし、可哀想だと思いませんか?

着たあと部分洗いに出すなどしてきちんとケアされていればよいですが、そうでないと久しぶりに出してみたら思わぬシミやカビができていた!なんてことにもなりかねません。

着物を有効活用するためにもこの際、「特別な日」をレベルダウンさせてはどうでしょう。

ちょっと気張ったところで会食、お芝居やコンサート、美術展、要は少し格高な装いをしても浮かない環境であれば、いつどこへ着ていってもかまわないはずです。

たとえばお友達同士、訪問着を着るための計画を立ててみるとか。

ふだんとは逆にまず着物ありき、これを着てゆけるところはどこか?から始まる計画です。

かしこまった装いでひとり浮くのはなんとも身の置き処がなく気まずいものですが、みんなで着れば怖くない(笑)

周囲の目も気にすることなく、皆でますます楽しく過ごせるのではないでしょうかnotes

私も先日の納涼歌舞伎には姪の結婚式以来何年ぶり?!で引っ張り出した絹芭蕉の訪問着を着て出かけました。

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波を表した裾模様だったので、まだまだ暑いことだし全体を水のイメージにしてみました。

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襟: 葦と流水を刺繍した本麻小千谷縮

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帯&帯留: ほんとは違いますが見ようによってまあ水にも見えるか?の夏紬の袋帯、帯留はかざり職人の三浦さんに作っていただいた銀細工の観世水です。

三浦さんといえば!話はちょっと横道に逸れますが…

この日の演目「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」は平成中村座ニューヨーク公演の凱旋記念公演でした。

この帯留を受け取りに本所吾妻橋のご自宅兼工房へ伺ったのはちょうど故勘三郎さんが入院された直後で、すでに予定されていたNY公演に同行するはずの三浦さんと公演が無事できるとよいですねとお話ししたことを覚えています。

その後のよもやの成行きに一時途切れてしまいましたが今年復活、その遺志は立派に受け継がれたようです。よかった!

(NY公演の七軒長屋の様子が三浦さんのブログにアップされています。ご覧ください!)

で、話戻って、

久しぶりの訪問着でしたが、たまにはこういう緊張感も気分がシャキッとしてよいものです。

それにしても着物を着る機会って、ほんとに少ないですね。

仕事で日常的に着る、あるいはいつでもたっぷり時間があるので好きな時に着られるという方は別ですが、着たくても実際に着物を着ることができるのは限られた休日だけという方も多いと思います。

その貴重な日も近頃は思わぬ伏兵、お天気rain

大雪で行事が中止になったり、台風や突然の大雨・突風で急遽洋服に切り替えたりと、最近は着物の外出を阻むような過激なお天気もしばしばです。

また、わたくし自身のことを振り返ってみても、ここ数年はそういう年代なのか、仕事の責任に加え家族にかかる手や時間が多かったように思います。

こんなときは時間はもちろん、なにより着物を着て楽しむ心のゆとりがなくなってしまうものです。

そうそう、この夏は楽しみにしていた外出の前日に家の中で滑って転び肋骨骨折shock、敢無く断念(;´д`)トホホ…な~んてことも起こりましたっけ。

これはまあ全面的に自分のせいですが、世の中ほんとにいろいろ起こるものだとつくづく感じたものです。

そこであらためて強く思い至ったのは、

「着られるときに着ておかないと着物は着られない!!」

いつかと思っているうちに時間はどんどん飛んでいってしまいます。

気軽な着物はもちろん、大事にしまってある訪問着や付下げもローテーションの中にしっかり組み込んで、どうぞ充実したキモノ時間をお過ごしください(*^-^)

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旅も着物

家に動物がいるとままならなくなるのが旅行です。

若いのから大年増まで姫4人ですからねcat

このあいだの箱根逃亡旅行も土曜の午後遅く出て日曜の昼前には戻ってました。

そうはいっても旅は旅、非日常の旅気分をアップさせるには…

着物です!!

電車か車か、土曜日はお天気悪そう、とまあいろいろな状況はあるものの最優先すべきは楽なこと。

楽な条件:

☆汚れ、しわを気にしなくて済むこと

☆脱ぎ着が早くできるよう、着付ける物の数が少ないこと

☆旅の荷物が少ないこと

そこから出たチョイス:

☆ウールの着物に半幅帯

☆うそつき襦袢に足袋ソックス

☆☆☆着物だけで過ごす!!

最後の三ツ星が旅の着物の極意ではないかと思います。

洋服で行って着物に着替えようなんて考えると上から下まで2セット必要、揃えるだけで面倒じゃないですか。

そのまま着て出て着て帰る、これが一番合理的。

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モノトーンのウールの着物は遠目にはちょっと紬のようにも見えます。

到着したら温泉に浸かってその後はお洒落なイタリアン・ディナー。

あんまり普段着っぽくても…

そこで選んだのは枝垂桜が華やかな黒地の帯、帯締めは灰桜を合わせました。

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そして翌日

朝はまた温泉に入り、朝食をとったらもう帰ります。

昨日とまったく同じでもよいけれど…やっぱりそれもつまらないし…

帯だけ変えました。

半幅帯1本くらいなら荷物にもなりませんよ。

根付はお土産に買った箱根細工。

履物は雨、フローリング、カーペット、なんでも対応の舟形の桐草履にしました。

下駄より改まり感があって音もしないのでホテル内でも違和感がありません。

あとはウールのコートにウールのショール、普段の洋服とあんまり変わりません。

小さな旅に着物、是非一度お試しになりませんか♪

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秋の夜長の一揃え

夜ともなれば一段と秋の気配、こんな時季にはどんな着物が似合うだろう…がしかし、日中はまだまだ暑いゾ!

10月初めのお出かけにはそんな悩みがつきまといます。

先週の集まりもまずは袷か単衣か、襦袢はどーする?

10月、といっても昨日までは9月よ。着物は迷わず単衣を選びました。

ただしこの時季ゆえ透けない単衣を。

襦袢は当日のお天気によって夏物か無双か。

でも衿を付けなきゃいけないのよね、と前の晩の天気予報を信じて夏物に決定。

今回のコーディネートは初めこの予定でした。

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吉野格子の単衣紬に塩瀬の帯。

小物はそうねえ、何を合わせよう、芥子、薄茜…

ちょうどそんな時、お稽古に来られた生徒さんのコーディネートをする機会がありました。

黒地同士の着物と帯、アクセントにするために乗せた黄色の帯締めが実に映えるではありませんか。

おーこれだっ!!

ひとさまのコーデをすかさず我が身に転用、急遽こちらに変わりました。

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町屋格子の着物は縮緬の単衣です。

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塩瀬の帯は灯りの先の丸い文がなんだか抽象画のお月さまのようにも見えて、私の中では秋の帯。

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帯締めはこの季節らしい菊の黄色、帯揚げは帯の中からとった紫と白の段柄を。

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履物は桜皮を張った舟形下駄、インド土産のウールのストールも忘れず持参。

黒と黄色、灯りに月、秋の夜長を連想するコーディネートの出来上がりで~す♪

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雨か晴れか、暑いのか寒いのか?

明日着物で出かけるというとき、雨が降るのか降らないのか、あるいは季節の変わり目で暑いのか寒いのか、どうにも予測がつかない時ってほんとうに困ります。

困るけどあるんですよ、こういうことが。

あさくさ和装塾が開かれた先週の土曜日はまさにそんな日でした。

台風の影響で当日朝まで雨が降り、昨日までは真夏か?!という暑さだったのに単衣どころか、羽織を出そうか、いっそ袷でもなんて真剣に考えるくらい寒いんですから。

当日の朝になってバタバタしたくない…

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Ame2 

前の晩に雨コートと雨草履、お天気が怪しかったり途中で降られた場合を考えてもう一足、糸春雨の塗り下駄をスタンバイさせました。

着物は単衣を2種類、夏から着られる薄手のものとあまり透けない塩沢御召を用意。

蓋を開けてみれば涼しいどころか肌寒い、迷うことなく塩沢を選択です。

この日は博多の細帯を合わせました。

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この帯は上横にインパクトのある縞柄が通っているため帯締めをするとかえって変…で、帯揚げだけ。

後ろ姿はこんな風になってます。

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これで寒ければ非常手段で雨コートを防寒に着てしまえばよいかと考えながら着つけているまにまにお天気は回復↑

(だったら最初からそういってくれればよいのに、もう。ブツブツ…)

まあ結果オーライ、一転軽やかな帯付で無事出かけることになりました。

その翌日の外出には着物まで一緒、帯を換えて気分を変えてみることに。

今度は帯揚げなしの帯締めだけです。

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その日のお天気ばかりは神のみぞ知る、とはいえ着物のときは悩ましいものです。

ある程度回数を着るようになったら、やはり雨コート(ポリエステルでOK)と雨草履を揃えておくことが最善の策だと思います。

急な冷え込みなどには洋服兼用のショールを1枚、いつも出しておくと助かります。

備えをしたらあとは思い切りよく出かける!

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下駄から始まるコーディネート

どこかへ出かけるときの着物選びといえば、ふつうは

きもの→帯→小物の順で合わせていくのがノーマルかと思います。

時には「この帯のため!」なんていうのもあるかもしれません。

先月の「あさくさ和装塾」、コーディネートのインスピレーションは一足の下駄からでした。

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←今回の主役

鎌倉彫の台(深緑や黄土の色が入っています)に深緑の縞ハナオの取り合わせがなんとも心憎い。

和装塾の主催者でもある辻屋さんの桐下駄です。

こんな粋な下駄にはやっぱり濃色の着物です。

黒に近い紺地に絣柄の明石縮を選びました。

羅の帯は胴帯に

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黄色を出すか、

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茶を出すか、

今回は茶の方に。

最後は帯締め・帯揚げです。

下駄の緑を効かせたいとして、淡色or濃色これもどちらがよいか?

胴帯に茶を選んだため、やはり小物も強い色の方が落ちつくようです。

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←ということでこれに決め。

下町歩きにふさわしい粋なコーディネートの出来上がりです!

☆ 普段は脇役の小さなもの、たとえば帯留、簪、半襟などを主役にしてそこからコーディネートしてみるのも時には楽しいものです。

そんな「逆コーデ」にはちょっとアクの強い、個性を主張するものがちょうどよいようです。

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とにかく暑くないように

今回のテーマで着るはとにかく「暑くないように」。

これがテーマか?って気がしないでもないですが、そのあたりはどうぞ緩めに。

なぜ暑くないようにかというと所作の勉強会の実技で立ったり座ったり、かなりの運動が予測されるのです。

連休中の夏みたいな日に較べれば気温は下がったものの、それでも着物を着始めると途中額から汗が流れる始末、着終わってしまえばさほどでもないのですが動いて止まると暑い。

こんな調子ですから、ちと早いが今日は単衣!を決め込みました。

単衣は裏地がないので生地そのものに適度な張りのある紬や御召しが多くなりますが、この日はやや厚手で重みのあるちりめんをチョイス。

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ちりめんは流れるような落ち感が持ち味で、それがまた綺麗なのですが、おそらく夏直前になったら肌に纏わりついて暑苦しく感じます。今のうち。

帯は着物からのリメイク。薄め・軽めです。

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軽やかにしたいので帯締めには3分紐を使いました。

前日は所用あって帰宅が遅くなり衿をつける時間も気力もない…

ウソツキに替え袖、台衿に両面テープでレース衿を貼り付ける荒業の急ごしらえでしたが、夏着物のように透けるわけではないからまあ良しと。

ときには手抜きも必要さと自己弁護の本日でした、ホホホ。

きものの小径

着物でお出かけ! 着付けの個人レッスンいたします

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スタイリッシュに決める!

今回の「テーマで着る」、キーワードは「スタイリッシュ」です。

先日のリッツ・カールトン東京で開かれた結婚10周年記念パーティーへ出席のための着物選びを取り上げてみたいと思います。

土曜日の午後から、六本木のホテルで気軽なパーティー…

スイートを貸しきってのパーティーということで、ご夫妻それぞれの友人たちが自由に訪れる立食スタイルが予想されます。

さて、何を選ぶか?

実は今回は帯だけ先に決まりました(笑) これ↓

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前柄はお太鼓と同じ柄と縦に圧縮してちょっと太らせたこの柄の2種類

きわめてモダンなお三方、今回の集まりにはうってつけです。

それと、彼らには昨年から家族がひとり増えまして…アリスちゃん(=ねこ)

そんなわけで今回はこの猫帯を中心にしたコーディネートです。

黒や茶の着物なら難なく載りますが夜間のホテルの室内、やはり明るい方が、で結局こういうことになりました。

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着物は4月の「フォーマル的コーディネート」で使用した薄藤鼠の無地紬、お洒落な猫帯は塩瀬です。

それでは差し入れのシャンパン1本持参で出~発♪

(和洋兼用バッグのお薦め)

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本日持参はこちら。

和装用は小ぶりなものが多く、そうでなくても室内用メガネに携帯、傘と最近ますます大容量でとても間に合いません。

どうしてもプラス1袋で荷物が増えることに…その点、このバッグだと何でも入ってしまうので助かります。

日頃は実用ナイロン・トートに取って代わられ、すっかり出番のなくなった革バッグが和装で役立つことになりました。

全然違和感ないように思いますがどうでしょう?

きものの小径

きものでお出かけ!着付けレッスンいたします

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テーマは「華やかに」

今回のテーマで着るは「華やかに」。

いつもより華やかに装うための着物選びです。

出かけたのは毎年4月に行われる着付け学校の認定式、会場は明治記念館です。

式典なので礼装中心になりますが卒業生以外はいわばゲスト的存在、装いも比較的自由が許されます。

そこであくまで自分らしい華やかさということで、選んだのはこちら。

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マイ・キモノ的一枚の紫色の無地紬です。

紫は高貴な色でもありアヤメなど春の色でもあるんですね。

また、紬のなかでも白山紬は生地に光沢があるため、室内照明、戸外の自然光にも決して沈んだ印象になりません。

金色をベースに緑や青などいろいろな色で組まれた帯は個性的かつゴージャス感があるもの。その中の紫が着物と呼応して相性◎です。

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小物も紫系の礼装タイプで合わせました。

色や柄で華やかさを表現するのではなく、ディテールにこだわった組み合わせですが、一般的感覚では十分渋いかも、ですかね。

おのれを知るで、ま、いいか。

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それからこの日は着付けの講師仲間がこんな写真を撮っておいてくれました。

後ろ姿は普段自分ではなかなかわからないのでこういう機会にセルフチェック♪

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「テーマ」で着る

お出かけする時の着物を皆さんはどうやって選んでいますか?

結婚式などフォーマルな場にはもちろんそれなりに。

お茶席やお稽古事の集まりならそこでのルールに従うまで。

歌舞伎座1階席の常連?もうどうぞ好きなだけ競ってください(笑)

まあ、そういった特殊な場合を別にして、ということですが。

もし着物で参加することに意義というのであれば何でもありですが、やはり着るからにはこだわりが…

お薦めの方法は「テーマを決めてから選ぶ

その日の装いについてまず自分なりのテーマを決めます。

今なら桜など季節の花や行事をテーマにしたり、都心のホテルだからスーツ感覚でスタイリッシュに、旅先で思いきりレトロになど、なんでも自由に。

そうしたうえで着物~小物選びをします。

イメージがより具体的になると選択範囲が絞られ、ぐっと選びやすくなるはずです。

私の場合は専ら「行く先」、それから今の気分の「色」(暗い色、淡い色、多分に季節に連動)で決めています。

たとえば先日のテーマは「浅草」と「春」。

浅草という場所柄から気取らない下町の粋さを取り入れたい、また春らしく明るい色の着物ということで薄いグレーに芥子色の吉野格子を選びました。

帯も小粋に半幅帯でと最初は「3月 さくらのコーディネート」そのままに枝垂桜の帯にするつもりだったんですが…

直前になって急遽変更(せっかく考えて最後の最後であっけなく変わることもけっこうある…なぜなんだか…)

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結局、より粋なこの半幅をチョイス。

今回のポイントカラーは黄色です。

帯揚は格子や八掛に合わせて芥子色、抹茶色の三分紐に帯の柄と同じ丸い帯留をあわせました。

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足元は小市松と黒いつぼが粋な天白(天が白、側面が黒塗り)の舟形の桐草履。

鼻緒にも黄色が一筋入っています。

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仕上げはちょうどこの日いただいた歌舞伎文字の扇子で決まり!

さて、次のお出かけには皆さんもまずはテーマを決めてから選んでみてはいかがですか?

初心者さんで選ぶほど着物がないっ!という方も大丈夫。

今日の帯揚げ・帯締めはどれが雰囲気?まずは小物使いから始めてみましょう。

それだけでずいぶん感じが変わりますよ♪

きものの小径

ちょっと着物で。着付けの個人レッスンいたします

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