
四季折々を写した花鳥風月、松竹梅や鶴亀などおめでたい吉祥模様、金糸銀糸の縫取りや総刺繍、絞りにぼかし…
和の装いでは当たり前にある表現や技法です。
今や何でもあり的洋服の世界でもさすがに鰹縞のスーツとか裾模様や絵羽付けのトレンチコートなんて、まさか~~
そのまさかをいとも簡単に全身に纏ってしまう着物とは!
やはりタダモノにあらず…世の衣装の中でも稀有な存在にちがいありません。
だからやっぱり着物らしい着物といえば古典柄や絵画的な模様に尽きるのかもしれませんねえ。
実を申せば私自身が憧れるのもそうした着物や柄on柄の組み合わせ、それも中途半端じゃなく、思いっきりの(日頃の出でたちを知っている方々には意外かもしれませんが)。
楽しいし、着物ならではの一番の醍醐味だから。
ただ難しい。柄の大小、無地場と柄の分量や比率、柄同士の共通性など。
加えて自分の個性や雰囲気に合うかどうか。
それ自体は完璧な組み合わせでもそこに自分の顔や肌の色、体型が入るわけですよ…という、これは組み合わせ以前の基本的問題。
そしてさらに現代の環境。
ガラスや鉄骨の高層建築に取り囲まれ、まるでカラスの群れのような黒いビジネススーツの男女が闊歩する現代の都市では、古典的趣味のままの和服姿では相当に浮いてしまいます(それを逆手に敢えて浮くことでもてはやされるのが儀式の着物(成人式や結婚式)やアンティーク着物か)。
…と、トータルに考えたところ、私自身の落ち着く先はやはりシンプルモダン、シンプルシック(なんだ、結局洋服といっしょじゃないか(笑))。
着ている本人も違和感がなく、また周囲の環境とも馴染むよう…
縞や格子、細かな柄や飛び柄の小紋など、無地ふうな着物を選んでみます。
土台の着物が地味だから帯は何でもあり。
織でも染でも、柄ゆきも古典からモダンまで、こってりあっさり、思いっきりポップなものなど。
個性や気分の赴くままに選んで組み合わせてみます。
ややこしい格などはこの際二の次に、一番に気をつけるべきは全体的な色のまとまり。
派手でも地味でもそれなりに色が調和して、全体として統一感があることがすっきり洗練の秘訣です。
ただし地味無地だからといってゆめゆめ凡庸にならなぬよう。無難・平凡とシンプルとはまったく違います!
ということで、あくまで私的趣味のコーディネート例を。
今回は濃紺地の久留米絣です。
晩秋に向かうこれからの季節にはちょっと暖か味のある木綿の肌触りがしっくりきます。
(普段着バージョン)
普段着には半巾帯や付け帯(二部式の帯)でとにかく簡単に。
ミンサー帯なら素材感・雰囲気とも文句なし!
ざっくりした市松織りの紬半巾帯で素朴な組み合わせ
(手拭の端っこにまたまた尻尾参加してました)

算崩しの帯はテキスタイル地の付け帯
厚みがあるので補正も要らない?!
(外出バージョン)
名古屋帯でお太鼓なら気軽なお出かけにも。
薊を唐草風にしたローケツ染めの帯は縮緬きものからのリメイクです。
三色段柄の帯。これもテキスタイル地の付け帯です。
焚き火の匂いがしてきそう…
有松絞りの帯
紺地に鮮やかな緑の組み合わせが個性的
☆今後も季節ごと・テーマごとにできる限り…できれば…まあ、思いつきの不定期になる可能性大ですがコーディネート例を連載していきたいと思います。
今回は定石「着物一枚に帯3本」です。
着物は帯によってガラリと雰囲気が変わります。
織と染、カジュアルな八寸帯からフォーマルな袋帯まで、帯の格や色柄の雰囲気を変えて着用の場を使い分けることができます。
帯は着物のようにマイサイズを気にする必要もなく、手入れの手間や保管場所も取られないなど、いろいろな観点からもこの「着物一枚に帯3本」はやはり合理的といえるでしょう。

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