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羽織は深い

着物の袖が長いのはゆとりが詰まっているから。資力、時間、健康、心のゆとり…

資力はもともとないですけど、この1年くらいはほかも容量不足だったように思います。

一応着物ブログなのにきもの記事がすっかり疎らになってしまいました。

でもゆとりがないときも意識だけはあります!

しばらく前から羽織のことがどうも気になって…

夏からずっと入院していた母の着替えの用意など、実家の箪笥をあちこち開けたことも加速の一因、気になるものは気になったときに見つかるものです。

「あのあたりに着物が入っている」のは前から知っていたのですが、あらためて見てみるといや、あるある。

それにけっこう羽織持ち?

昭和前半のお母さんといえば子供の入学式・卒業式は決まって黒羽織、ほかにも晴れ着向きのもの、定番中の定番、絞りの羽織、染め小紋の羽織など。

帯や着物の塵除けや防寒など実用的な役割もあったでしょうが、私の母の時代は帯つき姿などハシタナイ、大人の女性として羽織物を着るのは当然の感覚だったのだと思います。

若いお嬢さんの豪華な振袖や可愛い色柄の着物姿は「ねえ、ねえ、見て!」といわんばかりの全開放型、それに対して「帯見たい?でも見せない」(笑)と羽織から前帯をちらりと見せる、このちらリズムこそが大人女性の嗜みであり色気であったのかもしれません。

今は昔と違ってもっぱらお洒落で着るものなので、礼装/普段の区別で持つより、着物との組み合わせを楽しめるものを選ぶほうが着る機会も増えると思います。

何枚も持つわけではないのでなるべく着まわしのきくものとなると案外選ぶのに迷います。

まあ、それも色柄あたりまでなら本来の悩ましい楽しみのうちですが、そのうち羽裏の選び方、ちょうどよい丈は、完璧な乳(ち)の位置は、と緻密な領域に…羽織は深いです。

さて、その奥深い羽織について今回は丈と羽織紐について書いてみます。

羽織の形そのものが変わることはありませんが、丈は時代によってずいぶん変化するようです。

Cai_0378Cai_0381

上は私の羽織、下は母のものです。

ちなみに着丈は私89cm、母75cm

大正モダン、昭和レトロなどひと頃のアンティーク・ブームのときは長羽織が流行りました。

今でもプレタの羽織の一般的な丈は97~100cmあたりで売られているものが多いのではないでしょうか。

羽織丈は全体のバランスを決定する重要な要素です。

短いと帯山からの流れるような背中のラインが綺麗に落ちませんし、逆に長いと重い印象になり、足捌きもばさばさと広がってしまいます。

私の身長は155cm弱なので100cm近いものだとふくらはぎまであって長過ぎます。

すっきり見える膝下あたりなら86~89cmあたりでしょうか。

これはもちろんその人の好み・身長によりますから、全身の映る姿見でバランスを確認しながら自分の丈を見つけるようにしてください。

次は羽織紐。

羽織ばかりはこの羽織紐がないと着られません。

いかに合う紐を選ぶかは楽しみでもあるのですが…

羽織下には小さい面積ながら着物に帯、帯締め、帯揚げまで全部見えるわけです。欲をいえばそこまで計算に入れたい…これはなかなか高難度といえます。

母の羽織は羽織紐が付いたままでしまってありました。

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紫の絞りの羽織には同系色の暈し

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ろうけつ染めの羽織は白地にマルチカラー

着物や帯によって羽織紐を変えるなんて面倒なことはきっとしていなかったはずです。
羽織と同系色の紐ならまあ大概は馴染みますし。

私も羽織紐(組紐タイプ)だったら付け替えません。あの乳(ち=共布のそれはそれは小さなループ)、私よく見えません(笑)

それで最近もっぱら愛用するのは天然石やビーズをS字環に引っ掛ける羽織留タイプです。これだと取り外しが簡単にできるのでその時々で変えるのも苦になりません。

下はそのビーズを使った組み合わせです。

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小物のマジックというか、帯締め・帯揚げを変えるとやはり色調が変わってきます。

薄赤香色の帯締めにはピンク系、苔色にはアンバー系を使いました。

写真ではちょっとわかりづらいのでこちらを。

2点とも友人でもある羽織留めデザイナー、わのふくさんのオリジナルです。

Haoridome1_2

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両端の留め金部分が光ってるなんてあり得ない!と艶消し・アンティーク仕上げの素材を使うなど念の入りよう、長さもあれこれ試してジャスト・マイサイズで作っていただきました。

レディーメードのほかに石やビーズの色、大きさなど自分の好みの組み合わせでオーダーメイドすることも可能ですよ。

もう微に入り細に入り、とことん相談に乗ってくれますので凝り性の方はぜひ!

羽織留めや わのふく http://www.wanofuku.net/

あ、すみません、最後に

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ちらっ、裏地を見せたくなる私はやっぱり大人じゃないかしら(*^-^)

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