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2012年2月

台所染め

以前から草木染めをやってみたいと思っていたところ、入門にちょうどよいものを見つけた。

横浜のナチュラル&ハーモニックプランツで開催中のシルクフェア2012の一環「シルクを台所で草木染めしよう」

台所で片手鍋ひとつで草木染め…お~こういうのがいいんだわあ。

着物と同じ、日常生活の中に取り込めてこそ楽しいし、続けることもできるというものだ。

草木染めを指導してくれるのは京都で14代続く織元「織道楽 塩野屋」の御主人、服部芳和さん。

ちなみに私は昨年末、塩野屋が推進する桑の木オーナーになった。この話はいずれまた。

講習が始まるまでの時間は服部社長の余談雑談、で、これがおかしい。

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講師の塩野屋服部社長

まずは絹と草木染めについて基本的な説明を聞く。

絹と草木染はとても相性がよいそうだ。

動物性に植物性、対極の組み合わせがよいということらしい。

次に実際に使う染料、その比率・媒染の違いによる染めのサンプルを見ながら作業手順を教わる。

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丁子(クローブ)、蘇芳、刈安、玉ねぎの染液と色の組み合わせ例

染料のブレンド(初めてだから難しい)を各自考えたらいよいよスタート。

媒染剤に漬ける→水洗い→火で温めた染料の中で煮る→水洗い→乾かす

の工程を経て出来上がり!!

同じ染料でも媒染剤が鉄とアルミでは染めあがりが変わる。

各工程の時間の長短だけでも色が違ってきて、1枚1枚がみな微妙に違う仕上がりに。

これぞ手作り、オリジナルとしばし自己満足に浸る。

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思い思いの色に染めた後は万国旗のように吊るして乾かします。みんな色が違う!

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本日の作品(やっぱり渋くなった

左から

丁子:玉ねぎ アルミ媒染

丁子:玉ねぎ 鉄媒染 …上と同じブレンド 媒染を変えるとこれだけ色が変わります

蘇芳:丁子 鉄媒染

※ブレンドはすべて1:1

それぞれの感想と作品発表をして本日の講習終了。

短い時間だったけれど草木染がぐっと身近になった。

染める材料は台所にある色のつきそうなものなら何でもよいらしい。

コーヒー、紅茶、スパイス、今回の玉ねぎは茶色い表皮を1時間半くらいぐつぐつ煮出したものとか。

今まではただのゴミがこれからは貴重な材料、せっせと集めたりしそうだ。

私としては是非「ワインwine染め」にも挑戦してみたいなあ。

あれこれとアイデアが広がって、う~ん、ちょっとはまりそう( ̄ー ̄)ニヤリ

☆おまけ☆

袋真綿(繭を煮て手で薄い袋状にしたもの)の引き伸ばし体験。

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都浅黄の繭(上)と普通の繭

塩野屋オリジナル品種の都浅黄は名前のとおり黄色の繭。

実はこちらが野種で白が変異種だったそうだ。

小さなな繭の袋が蜘蛛の巣のようにぐんぐん伸びて1mx2mくらいまでになった!

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職人好き

職人好きである。

職人的仕事をする人も好きだ。

要は「職人気質」が好きなのだ。

己が道を信ずるからブランドとか世の評判にぶれることもない。

無論はじめからそうだったわけではあるまい。

そこへ行きつくまでには諸々の葛藤や紆余曲折、人知れぬ揺れもあったに違いない。

が、ひとたび迷いが消え失せればただひたすら道を進んでゆく。

徹し切る、無心につくる、だから人の心に響くものが生まれるのではないだろうか。

先日の浅草和装塾で次代を担う職人の話を聞く機会があった。

錺簪(かざりかんざし)の三浦孝之さんと市松人形の藤村紫雲さん。

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藤村さんの市松人形

お人形というとガラスケースに入っているイメージがあるが、実は単なる飾りものにあらず。

身体の部分は腕、脚、足首がすべて動くようになっているので正座や足を投げ出した子供座りもできる。

着物や帯はすべて着せかえられる(ということは着付けが必要=子供が遊びながら学ぶ)。

絞りの帯揚げ、丸ぐけの帯締め、振袖にはなんと襦袢の袖まで付いているではないか。

捨てられない愛着ある着物がお人形の着物になることもあるそうだ。

伝統工芸を受け継ぐというと何から何まで、厳しい修行を想像しがちだが、藤村さんによれば親から教えられたのは技としての技術だけだという。

お人形のフォルムや表情などは案外自由で、個人の感性に委ねられるらしい。

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三浦さんの簪と髪飾り

三代つづいた錺簪職人の三浦さんはグラフィックデザインからの途中転身だ。

歌舞伎や日本舞踊で使う髪飾りを作る人が一時途絶えてしまい、床山さんからの依頼で古いものを見ながら試行錯誤の制作が始まったとか。

子供の頃から小さな動植物が好きでよく観察していたそうで、古典柄のほかに自然をモチーフにした作品も多い。

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左の亀、 足や首が動きます!

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家紋の髪飾りと真鍮を透かし彫りした櫛

気の遠くなるような麻の葉…

伝統工芸といってもやはり時代による変化もある。

たとえば三浦さんの手掛ける歌舞伎の簪も昔と比べると小ぶりになったという。

役者さんが昔よりスマート・小顔になったせいでこれまでの大きさではバランスが悪いからだ。

普通の簪もあっさり、ライトテイストに。

たしかに今の軽快なアップスタイルにはずっしりボリュームのある日本髪の簪は重くて支えられないだろう。

そういった時代の流れには臨機応変な三浦さんだが、譲れない面もある。

髪から外した時にも「物」として美しくなければというこだわりだ。

もっと短くの注文に、でもこの短さだと不格好でしょ、と実際に見せてもらったらたしかに変(笑)

用の美を追求する職人の哲学といえるだろう。

かける手間と時間、その対価、およそ効率とか採算には程遠い世界である。

平たくいって「割に合わない」のが職人仕事だ。

なり手がどんどん減るのも不思議ではない。

だけどどこへ行っても同じ、何を持ってもみな同じ、ってそりゃあつまらないでしょ。

私はつまらない、全~然面白くない。

人の手技に為る美しいものを持って、それを長く大事に使ってゆきたい。

まあ金に糸目をつけず、なんて鷹揚なことは絶対言えないプチな使い手だけど。

着物を着るようになってからは職人仕事をさらに身近に感じることが多い。

帯締めは締めてみればその良し悪しが歴然とする。

捺染プリントと手で型染めされた江戸小紋の深みの差!!

今年は辻屋さんの企画で新しい時代の職人さんたちに会える機会も増えそうだ。

ひとり、せいぜい数人の伝統工芸を受け継ぐ職人のつくるものが単に文化財・美術品的に残っていくだけでは淋しい。

身近なところへ取り入れて用いることから始めてみよう。

なにかひとつ、小さなものでもきっと心を豊かにしてくれる。

ああだこうだと言いながら自分もその物づくりに参加できたりしたらもっと楽しいにちがいない♪

☆☆☆ INFORMATION ☆☆☆

かざり工芸三浦(墨田区伝統工芸保存会) 

http://www.hozonkai.com

人形工房 紫雲 

http://www.eva.hi-ho.ne.jp/shiun

どちらも個人の誂えが可能です。

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2年前の「龍馬伝」に使われた櫛と簪は三浦さんの作品

この観世水を透かし彫りした帯留を誂てもらうぞ!

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今年は半幅と袋帯を

昨秋からのレッスンで着物と名古屋帯でお太鼓を習得しました。

2012年、目指すは半幅帯と袋帯の攻略です。

この日はまず半幅帯に挑戦しました。

え、これで終わり?拍子抜けするくらい簡単に結べちゃったんだけど。

枕なし、帯締め・帯揚げなし、前で結んで後ろへくるりと回す、なにしろ手間要らずがこの帯の最大の強みです。

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この日のお稽古に使ったのはレトロな柄の木綿とポリエステル素材の帯。

はじめの角の長さや巻きつける回数によって形や雰囲気がぐっと変わってきます。

柔らかい素材で長さもたっぷりあったので、羽根を長めに取っただらり風の仕上げがこの帯の雰囲気にぴったりでした♪

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無地の裏を一部出してみたり、帯締めをプラスしてみたり、一度覚えてしまえば変幻自在、とってもお得感のある帯結びです。

もちろん夏の浴衣もこれでいけますよ。

さあ、これでますます着物が気楽になりましたね♪

会社の初詣に着物で参加したら同僚たちから「ほんとに着てる」(笑)と驚かれたとか。

外国人の研修生を交えたホームパーティーも着物でおもてなし、とても喜んでもらえたそうですよ。

こうしてレッスンの後も着物を着てくださっていることが私もなにより嬉しいです。

GWは結婚式、夏はみんなで浴衣でお出かけ、今年は楽しい企画が次々出てきそうですね!

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歌川国芳展

会期終了まであと数日、やって来たのは六本木ヒルズ森タワー。

向かう途中、やはりここで足が止まる。

Tour

ここからだと見下ろす感じで東京タワーが低く見える。

つづいて森アーツセンターギャラリーで開催中の「没後150年 歌川国芳展」へ。

Kuniyoshi

予想はしてたけどすごい人…

若い人が多い。大胆な画風がアニメや劇画に通ずるところがあるからかもしれない。

先日の錺職人、三浦さんは元グラフィックデザイナーだがこちらはさしずめ江戸のグラフィックデザイナー、絵師という職人だ。

自由なイマジネーション、奇抜なアイデア、武者絵、役者絵、美人画、風景画、一つ枠の中には決して納まらない。

最初のコーナー、「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズに描かれた人物はなんともダイナミック!

当時の人々が今か今かと出版を待ちわびて列をなす光景が目に浮かぶ。

暮らしの中のふとした様子をとらえた美人画がよい。

やはり着物が気なる。

色合わせ、帯合わせは今でもそのまま通用するなあ。

会場で一番人気は戯画のコーナーだ。

有名な猫をはじめ狐に御猪口に将棋の駒、擬人化された動物や器物たちのとぼけて人をおちょくった絵に顔がゆるむ。

Ura

ん?さっきのカードと同じ?

これは国芳の絵をもとに染めてもらった弟の羽裏。

表より裏地の方がよほど高かった。

いつの時代にも酔狂な人種はいるものだ。

Mike

唐突にミュゲさん登場

江戸の猫といえば三毛猫!だったそうな、とこれは余談。

この戯画にしても天保の改革で役者絵が禁じられたのをきっかけに描かれたものというから、よくよく転んでもただ起きない性質(たち)だったのだろう。

自由闊達、奇想天外、反骨精神旺盛、幕末の浮世絵師は生粋の江戸っ子でもあったようだ。

ああ痛快かな!

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ポチ袋とヒルズ・オリジナルのカフェオレクッキーをお土産に。

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第8回あさくさ和装塾

5月に開業する東京スカイツリーの周辺は伝統工芸に携わる職人さんが多い場所でもあるそうです。

そこで今年のテーマは「職人さんに聞いてみよう!」

今回は錺簪(かざりかんざし)と市松人形のお話を伺います。

まずは辻塾長による履き物講座、「革草履と雪駄」からスタート。

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昔はアルマジロや亀の革草履もあったとか。

昨今は本革か合成皮革か、外見ではわからないものも増えました。

修理してみれば正体明らか、見えないところで差がつくのが本物!

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みなさん熱心に受講しています。

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最初の職人さんは錺簪(かざりかんざし)の三浦孝之さん

お祖父さんの代から錺職人、ご自身はグラフィックデザイナーからの転身です。

歌舞伎や日舞の簪を手掛けていらっしゃいますが、個人の誂えももちろんOKだそうです。

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糸ノコで麻の葉が透かし彫りされた真鍮の櫛、ため息…

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お二人目の職人さんは市松人形の藤村紫雲さん

やはり代々つづく人形作家で紫雲はお祖父さんから引き継がれた名前です。

「人形は決して飾りものではありません」

はじめは子供の無病息災への祈願、やがて子供がその人形で遊び、女の子なら人形の着物で和裁・着付を学ぶなど生活の中で実用されていたのだそうです。

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たしかに小さくてもお人形の帯も帯締めも本格的です!

今回お二人のお話を伺って共通に印象深かったことがあります。

錺ものやお人形がほんとに好きで作っていること、実用であっても物として美しいことへこだわりがあること、です。

時代の変遷とともにこんな情熱が伝統を繋ぎ、また新たな伝統を育んでゆくんですね。

若き墨田マイスターのお二人、これからも頑張って下さい!

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講座終了後は記念撮影

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講座の後のお楽しみ、今回の旨いものは「金太郎鮨」です。

それではまた次回を楽しみに♪

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