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作家と猫

先日の駆け足旅行の折、家人が車中用に本を貸してくれた。

猫 (中公文庫) Book 猫 (中公文庫)

著者:大佛 次郎,有馬 頼義,尾高 京子,谷崎 潤一郎,井伏 鱒二,瀧井 孝作,猪熊 弦一郎
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洋の東西を問わず、猫好きの作家は多いが大正~昭和期の名だたる物書きたちによる猫のエッセー集だ。

物を書くことを生業としているのだから読ませて当然といえばそうだが、それにしてもその観察描写は見事にツボどころを押さえてくる。

中でも猫の尻尾振りについて書かれた谷崎潤一郎の「客ぎらひ」の一節には嵌ってしまった。

以下、引用。

「…何にしてもその尾を以てする返事の仕方には、一種微妙な表現が籠もつていて、

声を出すのは面倒だけれども黙つているのも余り無愛想だから、ちよつとこんな方法で挨拶して置かう、と云つたやうな、

そうして又、呼んでくれるのは有難いが実は己は今眠いんだから堪忍してくれないかな、と云つたやうな、

横着なやうな如才ないやうな複雑な気持ちが、その簡単な動作に依つていとも巧みに示されるのであるが、…」

(「猫」 谷崎潤一郎 猫 ねこ-客ぎらひ より)

なんとも痒いところに手が届くような名文ではないか。

ただでもこの文章には感激するが、目が留ったのにはほかにも理由がある。

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拾われて我が家の猫になって1ヶ月半、大人の一歩手前くらいのこの猫はどういうわけか、尻尾振りをしないのである。

こんな子、いるんだろうか…子供の頃から野良の居候も含めて飼った猫の延べ数は相当な頭数になる。

返事がわりに尻尾を振らなかった猫、いたっけかな…記憶にない。

これは猫の新人(猫)類だろうか。不思議な子だ。

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